2024/01/16 17:05:05 更新【ホンダ スーパーカブ】スーパーカブC125 エンジンオイル交換、ドラブチェーン調整、ドライブチェーン注油ホンダ スーパーカブC125
ホンダスーパーカブ C125にオイル交換でご入庫いただきました。 通勤で使われている車両で2〜3ヶ月以内に2000キロほど走られます。 前回の交換は昨年10月上旬で、それからきっちり2000キロで入庫されました。 スーパーカブC125の最高出力は7500回転で発揮します。。 最大トルクは少し低めの5000回転で発揮。 125ccですから50ccに比べれば十分パワフルですし、マニュアルミッションなので常にエンジンを高回転で走る原付スクーターよりはオイルの劣化はすくないはずです。 それでもスクーターとは異なり、スーパーカブC125の場合はミッションオイルも兼ねていますのでエンジンの潤滑、洗浄、冷却に加え、ミッションやクラッチの保護、潤滑といった役割を担っています。
50ccに比べればパワフルでトルクもあり、常に高回転で走るスクーターとは異なりマニュアルミッションで低回転での走行をすることも可能。 とは言え、幹線道路やバイパスで車の流れをリードするためにはそれなりの高回転域で走る必要がありますし、このエンジンは実に軽々と吹けあがってくれるのです。 なのにオイル交換時に使われるオイルはわずか0.8リットル。 オイルフィルターもないエンジンでありながら1リットルに満たないのですから、オイルにとっては過酷な状況です。 1500キロを超えたら2000キロ以内に交換することを強くおすすめします。 メーカー推奨の交換サイクルでも大丈夫かと言われれば大丈夫ですが、エンジンの保護という観点であればもっと早いサイクルで交換したほうがいいでしょう。 メーカー推奨の交換サイクル「でも」大丈夫というだけです。
メーカー推奨と言えばオイル粘度。 スーパーカブC125のメーカー推奨オイルは10W-30です。 10W-30「でも」問題ありませんが少しやわらかめです。 オイルは硬いほうが保護皮膜を強く形成します。 ただあまり硬くすると抵抗が増してしまい、エンジンの吹け上がりや始動性に難ある影響が発生することもありますし、この抵抗(フリクション)が多くなれば燃費も悪化します。 最近は自動車でもバイクでもメーカーは燃費を重要な訴求ポイントとして捉えています。 実際に新車カタログを見ると燃費を大々的にうたっていますよね? その為、抵抗がなく(フリクションロスがなく)燃費が良くなる低粘度のオイルを推奨しがちです。 自動車のエンジンオイルなんて最近は0W-20なんて低粘度オイルを使うのも珍しくありません。 もちろんオイルの性能が向上しているので低粘度のグレードでも油膜を強く形成できます。 その為、燃費とエンジン保護(金属摺動面の保護)を考慮したうえでできるだけ柔らかいオイルをメーカーは推奨するのです。
さすがに自動車よりも常用回転域が高いオートバイには0W-20なんて低粘度のオイルは使えませんが、それでもひと昔前なら10W-30だって柔らかすぎるんじゃないかと心配になるくらいでした。
こちらのスーパーカブC125は前回のオイル交換時にオーナーからミッションタッチの違和感を訴えらえました。 2速から3速への変速時に違和感を覚えるというのです。 ひっかかるというか、動きが渋いというか、とにかく2→3速への変速が気になるとのこと。 これがオイルが熱に負けてしまってのことなのかはわかりませんが、指定より熱に強いグレードを選択し、オイル自体のレベルも上げてみることにしました。 ミッツ・ハー公式推奨エンジンオイルであるルブロスシリーズのコスパナンバーワンの人気銘柄、Moto-ST 10W-40を使うことになりました。 VHVI(Very High Viscosity Index)をベースにしたエンジンオイルで、高温時と低温時の粘度差が出にくい特性があります。 通常の鉱物油と比較して分子構造が均一で、不純物が少ないのも特徴です。 もちろんルブロスのテクノロジー、独自のベースオイル「ナノパフォーマ」が配合されています。
このオイルを使ってみたところ、明らかに2→3速のシフトタッチガ改善し、違和感が解消したと伺っていました。 が、交換から1500キロを過ぎた頃から再び若干の違和感を感じられるようになったとのこと。 確かに1500キロを超えればオイル交換の推奨時期ですから、何らかの体感ができたとしても不思議ではないのですが、それでも気になる症状は解消したいところ。 そこで今回は更にハイグレードのオイルを使うことにしました。 シリーズ中、人気ナンバーワンのMoto-SS 5W-50を使います。 ルブロスシリーズには上位グレードからMoto-GP、Moto-RS、Moto-SS、Moto-ST、Moto-syntheというラインナップがあります。 Moto-SSよりも上位のグレードのオイルが2種類存在しますが、一般的な公道での使用であればこのグレードでじゅうぶん。 滑らかなな吹け上がりを体感でき、かつエンジンの保護性能に優れるコストパフォーマンスに優れたエンジンオイル。 スポーツバイクならサーキット走行もカバーできるほどの幅広いシチュエーションで使える万能型エンジンオイルです。
オイルのグレードは5W-50ですから、今まで使っていたMoto-STの10W-40よりも低温時の流動性が良好で、高温にも耐えるオイルです。 寒い時も始動性が良好で暖まりやすく、それでいて熱にもより強いというこのオイルでシフトタッチの改善を試みます。
APIの最高峰グループVに分類されるエステルと、グループⅣに分類されるPAO。 このトップ2グループをベースに使用しているのがルブロスMoto-SSです。 エステルは分子構造にマイナス極性の酸素物資を持つため、金属の摺動面に密着する性質を持ちます。 一般的なエンジンオイルは、通常6時間程度でピストンやシリンダーから流れ落ちてしまいますが、エステルがあると薄く均一な被膜が付着したままを維持できるため、金属の直接接触をある程度避けることができます。 また、エステルはもともとジェットエンジンの潤滑剤として開発されたため、熱安定性と化学安定性に優れ低粘度のベースオイルを使用できるだけでなく、低粘度でも摩擦を下げてくれるので馬力損失を少なくできます。更にせん断安定性、低温流動性、揮発防止性、洗浄分散性など数々のメリットがあります。
PAO(Poly-a-Olfin)は合成炭化水素とも呼ばれ、エチレンから製造される「a-オレフィン」を原料にし、重合反応と水素化処理によって精製されます。 粘度指数が高く、高温時においてはVHVIよりも厚い油膜を保持することが可能です。 ワックス分を含まないことから低温粘度特性にも優れ、低温時の始動性向上や暖気時間の短縮、省燃費性能に利点があります。 また、エステルの弱点とも言える耐久性を克服しているのも特徴です。
ベースオイルの最高峰エステルと、高性能を維持しつつ実用域におけるメリットや耐久性を高次元でバランスさせたPAOの組み合わせに、ルブロス最大の特徴である新開発ベースオイル“ナノパフォーマ”を配合。 1.オイル分子の細分化 2.オイル分子の均一化 3.オイル分子の結合力強化 これらの特徴を持つナノオイル分子は、オイルと金属の隙間を埋め、ベアリング効果や、密閉効果をより高める働きをします。 ●ベアリング効果 ベアリング効果によるフリクションが少なくなる結果として 1.油温上昇の抑制・安定化・低減 (摺動抵抗の軽減により、摩擦発生と酸化・劣化の予防) 2.高回転での伸びが良くなる (クリアランスを均一化して、摺動抵抗を軽減) 3.エンジン音を抑える ●密閉効果 密閉効果により吹き抜けを抑える効果として 1.パワーとトルクの上昇 2.ブローバイガスの減少 3.オイルの耐久性向上 これらの特徴を備えるMoto-SSはミッツ・ハーでは一番の人気オイルなのです。
エンジンオイルを抜いている最中に各部も点検します。 タイヤの摩耗状態の確認。 空気圧の確認と調整。 ブレーキパッドの摩耗状況。 各可動部の状態。 ドライブチェーンの状態を確認するのも大切です。
ドライブチェーンのたるみ具合は適正値にしておく必要があります。 たるみを無くすとサスペンションの動きが阻害されますので注意しましょう。 逆にたるんだまま乗っていると加速減速時に伸び縮みの度合いが大きくなり、たるみ具合が加速度的に増えていきます。 つまりチェーンの劣化が早くなってしまうのです。 小まめな調整が長持ちさせ、経済的にのるためのポイントになります。
たるみ具合だけでなく注油も重要です。 適度にチェーンのメンテナンスをしておけばフリクションロスが減り、燃費向上やパワーロスを防ぐことが出来ます。
チェーンの注油、調整、エンジンオイルの注油で作業終了です。 ミッションのタッチを含め、乗り心地がどう変わったか? お客様の感想が楽しみです。 ご利用いただき、ありがとうございました。
対象車両情報
- メーカー・ブランド
- ホンダ