■多くのテストにパスして安全が約束される
ヘルメットに求められる性能には、安全性、空力特性、快適性がある。それらが高い次元で一体となっていることが望ましいのだが、やはり重要なのは安全性だ。その安全性の基準を知るひとつの方法が規格だが、スネルやJISでは強度に重点を置いたテストが行われる。基準値は異なるが、平面型アンビル、半球型アンビルを用い、2回上方から落下させる衝撃吸収性試験や、先端の鋭利なストライカを落下させる耐貫通試験を行っている。ほかにもアゴひもやチンバー、ロールオフテストなどを実施している。一方ヨーロッパのECE規格では、1回の衝撃吸収性能を重視しているため平面型アンビル、縁石型アンビル等への落下テストは1回のみ。チンバーテストはヘルメットを落下させる方法だ。安全テストはこれらのほかに、前後左右から圧迫する剛性試験、こすれたときの衝撃を測る表面摩擦力試験なども行う。それぞれの規格によってヘルメットのテスト方法がことなるのは、安全性の尺度に対する考え方の違いからだ。 |