名車と呼ばれたツーリングバイク

名車と呼ばれたツーリングバイク

カウル付きネイキッドオンロード系アドベンチャーという中庸さが名車のカギなのか?

HONDA NC750X

HONDA NC750X

ホンダのクロスオーバー思想から生まれたツーリングモデル。スリムでコンパクトな車体、タンク位置にヘルメットが入るラゲッジスペースを持ち、30km/L近いという低燃費を発揮。新車も中古も非常にコスパが高いのも魅力。オートマチックのDCTモデルも人気だ。

新車価格●88万4520円
中古相場価格●32.8万円~88.02万円

 
HONDA CB1300ST

HONDA CB1300ST

ホンダの代表的ネイキッドCB1300 SUPERFOURをベースにワイドなウインドスクリーンや、高めのハンドル、左右各容量29Lを誇るパニアケースを標準装備したツーリング専用モデル。2009年~2013年とわずか4年しか販売されなかったが未だに人気は根強い。

中古相場価格●57.9万円~108万円

 
BMW R1200RT

BMWR1200RT

80年代のOHVエンジン時代から続く名車。大きなカウル、安定したハンドリング。分厚い幅広シートなど、ラグジュアリー装備を満載。最新モデルは1250として生まれ変わった。

新車価格●274万2000円
中古相場価格●45万円~296.8万円

YAMAHA TDM900

YAMAHATDM900

1991年に「キング・オブ・マウンテンロード」をコンセプトに登場したTDM。アドベンチャー系の車体にキャストホイールを履かせ、欧州色の強い独自のデザインで人気を博した。

中古相場価格●29.9万円~58.8万円

YAMAHA TRACER 900GT

YAMAHA TRACER 900GT

MT-09の水冷並列3気筒エンジン、フレーム、マフラー、足回りを共有化し、外装、ポジションをアドベンチャー寄りに味付けしたモデル。900ながら軽快でスポーティな走りを実現する。

新車価格●119万8800円
中古相場価格●99.8万円~99.99万円

収納スペースの優位性とツインエンジンの鼓動感

 前項では「距離や車種に関係なく、本人がツーリングと思えばそれがツーリングである」と結論づけたが、その一方でこれまで名車と呼ばれたツーリングバイクが存在するのもたしかなこと。上で紹介している5台はその代表的なモデルだ。どのモデルにも共通しているのは風圧を軽減するカウルがあること、ハンドルが高く乗車姿勢が起きていること、シート高が低めで足つきがいいこと、などが挙げられる。
 また、R1200RTとCB1300STは標準でパニアケースを装備し、NC750Xはタンク位置に大きな収納スペースを持っている。つまりこの3機種は日帰りから1泊程度なら、シートバッグなどを使う必要がなく、荷物も濡れることがない、というわけだ。ハードケースにはレインウエアも常備しておけるので、不意の雨に対処できることも大きな利点。
 もうひとつの特徴は過去にツーリングの名車と呼ばれるバイクは比較的2気筒を採用したものが多いこと。並列、V型、水平対向とその形状は様々だがバイクにおける2気筒エンジンは、人間の心臓の鼓動に一番近いと昔から言われている。つまり2気筒エンジンを搭載したバイクはライダーとシンクロ率が高く、長距離を走っても疲労感が少ない。例えば暴風雨など過酷な状況においてもバイクを意のままに操れるのではないか、ということもいわれている。

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2019年2月)。

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