日本で販売される機種が増える可能性だってある!
今回の新環境規制は、おもに欧州地域(EU加盟国)で用いられている規制との基準調和が目的。国ごとの試験や規制を設けずに基準を共通化することで、各国間の相互輸入をスムーズにしようと、国連の欧州経済委員会が主導して、自動車基準認証調和世界フォーラム(WP29)で協議を重ねてきた成果である。
この基準調和によって2017年型以降は、これまで欧州のみで販売されてきた機種が、国内仕様または逆輸入車扱いとして、容易に日本で販売できるようになるわけだ。例えばヤマハのXSR700やMT-10、あるいは2017年型で全面刷新されたスズキのGSX-R1000などが、国内仕様化されるのではないか? とすでにウワサされている。
またこれまでは、ホンダのCBR1000RRやプレストコーポレーションが取り扱うヤマハ・YZF-R1のように、メーカーやインポーターが日本向けにマフラーやエンジンなどを対策しなければならないことも多かったが、欧州仕様と日本仕様の間では今後、その必要がなくなっていくため、開発コストの低減も期待できる。規制強化に対応するため生産コストは増すが、日本での二輪車価格はそれほど変わらないなんてことも期待できるかも・・・・・・。
さらに、これまでは欧州仕様の登場からしばらく経過して国内仕様がデビューしていたが、今後はこのズレがほとんどなくなるだろう。
今回の新規制は、ユーザーにとって悪いことばかりではないのだ!
排ガス規制はかなり強化されるが
日本の従来規制で考えると・・・?
新環境規制では、排ガスの大幅な浄化が求められ、加えて車載式故障診断装置の搭載も義務化される。もちろんこれらは非常に厳しい規制なのだが、一方で騒音規制を見てみると、日本独自の近接排気騒音が上限なしに変更された(=国際基準に調和された)ことで、日本国内仕様のためだけにマフラーやエンジンカバーなどを開発する必要はなくなる。
加速騒音の縛りがなくなる!?
欧州との規制基準調和で
国内仕様化が容易に!?
新環境規制は、おもに欧州で用いられている規制と基準が調和されている。これは、国ごとの規制を設けないことで各国間相互輸入をスムーズにすることを目的に協議が重ねられてきた成果だ。2017年型以降、これまでは逆輸入車のみが日本で販売されていたような欧州仕様車を正規国内仕様化しやすくなり、その導入タイムラグも短くなるはずだ!
海外発表モデルがすぐに日本へやってくる!?
米国は独自路線を貫くので
各国の規制対応が必須に!
排ガスなどの規制に関して、米国は独自路線を取っていて、欧州経済委員会の自動車基準認証調和世界フォーラムにも参加していない。このためハーレーダビッドソンに代表される米国ブランドは、これまでどおり各国の規制に合わせた仕様を用意する。
規制強化でも欧州では
200馬力の実績あり!?
新排ガス規制対応による馬力低減を心配するユーザーも多いようだ。日本の新規制は、欧州のユーロ4に相当し、こちらは新型車については2016年型からすでに適用されている。そこで、これに適合しているカワサキのニンジャZX-10Rを見てみると、これまで日本に入荷されていた東南アジア仕様は173馬力だが、欧州フルパワーは200馬力を確保!
パワーも馬力も欧州仕様のまま導入される!?
性能は維持できたとしても
生産コスト増は避けられない
新排ガス規制は、従来値と比べてかなり厳しい。これにマフラー内部のキャタライザー(=触媒)で対応すれば、重量増や生産コストアップは避けられないだろう。車載式故障診断装置の搭載も、コストアップ要因のひとつ・・・・・・。