マリン後輩さんが投稿した愛車情報(Ninja ZX-12R)

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    思えば今年で40になろうとしていた。
    あぁ、年月ってヤツは早いもんだ。
    そんなことを考えながらスロットルを開けて走っていく……

    「うおッ!」
    スクリーンから顔を出しては引っ込める。
    現在、俺は愛車のZX-12Rに乗って鹿児島を目指していた。
    目的地は佐多岬。
    理由は無い。強いて言えば、なんとなく行かなくてはと思ったからであろうか?

    メーターの針は時速250キロ越え。
    轟音と振動の中を、スクリーンとカウルに守られて貫いていく……

    あと600キロ。
    スマホのナビを一瞥し、ただ黙々と山陽自動車道を走っていく。
    思えば12Rとの付き合いも15年、距離にして16万キロを突破した。
    新車で買ったコイツも、もう立派な旧車(ロートル)だ。
    何度もコケた、何回も修理した、もはやエンジンなんて3機目、新車(あの頃)から残っているのはフレームとメーターぐらいのモノである。

    500。
    SAにて180キロ毎の給油をしながら、ミラーに映った自分の顔を見る。
    メットの中の浅黒く焦げた肌、目尻のシワ、、、
    「……フ、老頭児か」──笑えんな。
    そう呟いて──良し。
    並々と注がれたハイオク、腹ごしらえをした愛車のダミータンクを撫でて、メットのシールドを閉じる。
    「おん?」
    ふと隣に入ってきたライダーと目が合った。
    乗ってるバイクは現行のSS。
    そして乗ってるライダーもメットから見える目と肌がピチピチに見えた。……現行車(者)か
    「ガハハ!」
    声高らかに笑い、そして互いにペコッとお辞儀をして。
    ヴォヴォヴォヴォ、バァンッ!
    ヴゥゥゥゥアァァァァンッ!
    耳をつんざく爆音をかき鳴らして再び走って行く。

    300。
    中国道から九州自動車道へ。
    「ぬぬぬ!」
    ラグナセカばりのテクニカルカーブに悪戦苦闘、時速300キロにも耐えうる剛性が仇となり、カーブの度に凄まじいGに全身の筋肉が悲鳴を上げる!
    踏ん張る足の親指がつる!
    ハンドルにしがみつく腕の上腕がピキピキと震える。
    右へ左へと移り行く状況に目が追いつ──
    「舐めんな! そんなにジジイじゃねぇ!」
    気合いと根性でねじ伏せていく!
    昔の俺よ、ほら見ろ!
    まだまだぁ!俺ぁまだ耄碌しとらんぞ!
    170キロ越えで走って行く……

    100キロ。
    九州最南端の桜島SAを横目に通過し、下道へ。
    再び愛車にハイオクをがぶ飲みさせて桜島フェリー乗り場へと急ぐ!
    しばし休憩。
    愛車の上に突っ伏す。待合室には行かない、寝そうだった。
    そして時間になりフェリーの中へと進んでいく……

    短い航路。
    名物のやぶ金うどんを無心で食べる。
    「おおぅ~! ふぁぁぁ」
    見えてきた陸に心が踊る、鎌首をもたげる睡魔に目蓋が痙攣する。
    では行かん!
    カタパルトから飛び出すガンダムが如く桜島へと勇み入る!

    90
    海沿いの224~269号線を目薬とエナジードリンクをキメて走っていく。
    「おう!」「おお!」「おんおん!」
    すれ違うライダー達とヤエーを交わす。
    気持ちの良いワインディング、思わずスロットルをラフに開け──
    ……かけて。
    「──」
    思い留まる。
    見れば田園風景の合間、側道にパンダカラーのア奴らが待機していた。
    「~♪~♪」
    鼻歌混じりに走っていく~
    もう少し……もう少しで……
    そして。

    「ハァァァ」
    モニュメントの前に愛車、ZX-12Rを停める。
    騒ぐ風と磯の香りを全身で感じる。
    しばし目を閉じて、心が凪ぐまで静かに待つ。
    「………」完了。
    気持ちを切り替えて出発する。

    ──そして。
    「到着」
    ついにあの大きな木の下へと着いた。
    緩い傾斜の駐輪場に愛車を停めて、岬のベンチにドカッと座り込む!
    「があああ」
    オッサンのようなタメ息とも言えぬトンチキな言葉。
    続いて、自販機で買った白熊ジュースを胃に流し込む。
    「あっま!」だがそれが良い。
    思えば遠くに来たもんだ。
    見れば日も暮れ始めているではないか。
    目を細めて大海原に沈む夕日を眺める……

    ボンボンボンボンボンッ!
    ふと、聞こえてきたバイクの排気音に振り返る。
    「あ」
    思わず声を上げる。
    「あ!」
    向こうのライダーも声を上げる。
    先のガソスタで会った現行車(者)がソコには居た。

    「昔、父が12R乗ってましてね」
    若いライダーが俺の12Rを眺めながら、しみじみと言葉をつむぐ。
    「いやぁ、君のバイクにゃ敵わないよ」
    俺はライダーのSSを見て、謙遜する。
    かたや型落ちの時代に忌み嫌われた忌み子、かたやメーカー最先端の鬼の子、比べるまでも無いだろう……
    「バイクって良いですよね」
    ライダーが俺の言葉を無視し喋る。
    「何十年経っても色褪せないんです」
    「色褪せない?」
    「だってオジさ……兄さん12R好きでしょう?」
    「ああ、好きだよ」
    俺は即答した。
    「俺もいつかそうなりたいです」
    若いライダーが西日を受けながら、自分の愛車のSSを眺める……

    その姿に昔日のあの日の俺が重なる。

    「……どうしました?」
    ライダーが首を傾げる。
    「いや、何でもない」
    ……何でも……無いさ。
    「あ! そうだ!ちょっと待ってて下さい!」
    若いライダーが小走りにどこかへと走っていく。
    「ハァハァ、さ!どうぞ!」
    そして走って帰って来て俺に何かを差し出す。
    ……なるほどね。
    「再会を祝して!」
    白熊ジュースがソコには合った。
    「アリガトウ」
    笑ってソレを受けとる。
    「「乾杯」」
    ジュースをぶつけ合い、杯を交わす。
    甘ったるい味、のど越しに悪戦苦闘。
    「っぷはぁ~うめぇ~ッ!」
    若いライダーが一気に飲み干し空き缶を高らかに掲げる!
    「若いな~」
    俺も遅れて、3度に分けて飲み干し空き缶を高らかに掲げた。

    バイクに乾杯! ライダーに乾杯!
    嗚呼、オートバイに乾杯!


    #ZX-12R #俺RIDE #東◯海平 #鹿児島リベンジしたい #999投稿目 #12Rかばち隊

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