
初めて渡った北海道の記憶は、今も脳裏に刺さったままだ。
フェリーで海を越え、地図を頼りに道東・道北・道央をただ走った。寝床はテントかライダースハウス、それで十分だった。
無料キャンプ場で会った古参は、星空の下で飯とビールを黙って差し出し、言葉少なに北海道の流儀を叩き込んでくれた。
アイヌ村の銭湯じゃ裸で湯に浸かり、「おまはん、どこから来たね?」と見ず知らずの俺にも気さくに話しかけてくれた。
茹でた花咲ガニが露店で転がっていた、そんな時代だ。
バイクが変わった都度、北海道に渡った。
そして、あの大地を走った感触だけは、忘れずに身体に残っている。
それが原点だ。




