オフロードバイクのタイヤの交換方法は?タイヤの寿命やおすすめタイヤも紹介
オフロードバイクで山道などを快適かつ安全に走行するには、車体に合った状態の良いオフロードタイヤを取り付けることが大切です。
しかし、実際にオフロードバイクに乗ってみると、タイヤの状態をチェックする方法やタイヤを交換するタイミングなど、わからないこともあると思います。また、バイクの維持費を抑えるためにセルフでタイヤ交換をしたい方もいるではないでしょうか。
今回は、オフロードバイクに使えるタイヤの種類や寿命、選び方などを解説します。併せて、オフロードタイヤをセルフで交換する方法、おすすめのオフロードタイヤも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
オフロードタイヤの種類
オフロードバイクに装着するタイヤには、以下4種類があります。それぞれの特徴を確認しましょう。
モトクロスタイヤ(MXタイヤ)
人工的に造成・管理された、モトクロスコース向けの競技用タイヤです。特徴的な硬めのブロックパターンは、先端に行くにつれて細くなる形状となっています。この先端が泥や土を刺すことで、ダート面でも安定した走行が可能です。路面のコンディションごとに、以下の種類が用意されています。
エンデューロタイヤ
岩や倒れた木などの自然の地形を活かした特設コースで使われるタイヤです。多くの商品は、コンパウンドが柔らかめで、泥が詰まりにくい形状となります。高いグリップ力が発揮できるため、山林ツーリングなどの凹凸の激しい地形を走破するライダーにおすすめです。公道走行も考慮した競技用もあります。
トライアルタイヤ
均等に配置されたキャラメルブロックによって、タイヤ全体で岩をつかめる種類です。岩場のコースのほかに、人工的に配置されたヒューム管を走破するレースなどでも用いられます。岩をつかめるほどコンパウンドが柔らかいため、オフロードタイヤのなかでも特に摩耗が早いです。
コンパウンドとは、タイヤが路面に接するトレッド部分に使うゴム素材のことです。
トレールタイヤ
オンロード・オフロードの両方で走行できる、公道走行可能なオールラウンダーです。ただし、トライアルタイヤで走るような岩場や水分の多い土などには対応できません。ほかのオフロードタイヤと比べて悪路でのグリップ力は劣る一方で、耐久性が高く寿命が長い魅力があります。
オフロードタイヤの寿命
オフロードバイクで岩場や山道、キャラメルブロックの上などを走行するには、グリップ力の高いタイヤが不可欠です。グリップ力を向上させるには、コンパウンドを柔らかくする必要があります。タイヤのゴム素材が柔らかいと路面との摩擦が多くなり、オンロード用のバイクタイヤと比べて、タイヤの消耗も早くなります。
オフロードタイヤの交換時期とは?
オフロードタイヤは、タイヤ側面にあるスリップサインを示す三角マークがないため、オンロードタイヤと比べて、交換時期を把握しづらい種類です。
多くのオフロードバイクは、山林やコースなどの悪路の走行が中心です。摩耗やダメージも激しく、走行距離もあてになりません。
タイヤの種類ごとのチェックポイントといくつかの目安から総合的に考えて、交換するかどうかを検討する必要があります。
トレールタイヤの場合、低めの中心ブロックがすり減り、ベースタイヤと一体化しそうになったら交換のサインです。一方、モトクロスタイヤとエンデューロタイヤは、ブロックの高いレース用であるため、かなり使い込まない限り、トレールタイヤのようにベースタイヤと一体化することはありません。
ただし、使用頻度が低くブロックがあまり消耗していなくても、購入から3~5年経過すれば、空気圧の低下による変形や紫外線などの影響でひび割れが起こるリスクが高まります。
オフロードタイヤを交換するかどうかの判断は、タイヤのブロックの高さだけでなく、購入から3~5年という数字も目安にするとよいでしょう。
オフロードタイヤの選び方
オフロードタイヤを選ぶときには、タイヤサイズと用途をチェックします。
オフロードタイヤのサイズ
タイヤサイズは、タイヤ側面(サイドウォール)に記載されています。表記方法は、以下2種類があります。メーカーを比較するときは注意が必要です。
基本的には、現在乗っているバイクのタイヤと同じサイズのものを選べば問題ありません。多くのオフロードバイクは悪路での走行性能を高めるために、フロント21インチ・リア18インチのタイヤを採用しています。
オフロードタイヤの用途
先述のとおり、オフロードタイヤには用途別に4種類あります。
モトクロスタイヤは、基本的に競技専用です。トライアルタイヤやエンデューロタイヤは競技専用が多いものの、なかには公道走行できる商品もあります。
競技専用タイヤには、サイドウォールに「NOT FOR HIGHWAY SERVICE(公道使用不可)」などの記載があるのが一般的です。
オフロード性能を重視したタイヤを選ぶとコンパウンドが柔らかくなるため、オンロード性能が低くなります。その逆もしかりです。オフロードバイクで公道と競技コースで併用する場合、どちらの性能を重視するかをしっかり考えてタイヤを選びましょう。
オフロードタイヤのおすすめ3選
以下、おすすめのオフロードタイヤを3種類紹介します。
IRC TRAIL WINNER TR-011 TOURIST
通称「ツーリスト」と呼ばれるトレールタイヤです。トライアルタイヤのようにブロックが配置されており、ごつごつした石や岩の多い林道ツーリングに適しています。トレールタイヤでありながらも、路面をつかむようなグリップ力も定評があります。
BRIDGESTONE TRAIL WING TW301/ TW302
このタイヤの最大の特徴は、オフロード用タイヤ初のトレッド3分割構造を採用していることです。この構造によって、オンロードとオフロードでのグリップ力と、舗装路で耐久性の両方を実現しています。そのため、オンロード走行が中心で、林道ツーリングなども軽めに楽しむライダーにおすすめです。
BRIDGESTONE BATTLE WING BW-201/ BW-202
オンロード専用のオフロードタイヤで、オフロードバイクに乗って街乗りや高速道路を走行するライダーにおすすめです。オフ/オフタイヤ並みの深い溝とストリート向けのスリック調パタンを組み合わせることで、このカテゴリでは群を抜いたロングライフを実現しています。軽めの林道程度なら走行可能です。
オフロードタイヤの交換で準備すべきもの
オフロードタイヤの交換は、バイクのメンテナンス経験がある方なら、セルフで行なうことも可能です。ここでは、オフロードタイヤ交換で必要な道具を紹介しましょう。
オフロードタイヤをセルフで交換する方法
オフロードタイヤをセルフで交換する際の基本的な手順とポイントを解説します。
1.ホイールを車体から外す
ホイールを車体から外すには、オフロードスタンドなどを使って車体の固定とジャッキアップを行ないます。アクスルナットは外す際に強い力が必要なため、ジャッキアップ前にナットを緩めておくと安全に作業を進められるでしょう。
ホイールを地面に置くときには、ブレーキディスクやスプロケットが緩まないよう、木などを地面とタイヤの間に挟むのがおすすめです。
2.チューブの虫を外し、ビードストッパーのナットを外す
バルブキャップを外したあと、虫回しを使ってチューブのバルブコア(虫)を外します。このときに空気が一気に抜けると、バルブが飛んでいくことがあるため、注意をしてください。バルブをリムに固定しているリムロック(ビードストッパー)のナットも忘れずに外しましょう。
3.ビードを落とす
ビードを落とすとは、空気がある程度抜けた段階で、リムとタイヤが結着している部分を外す作業です。バイクショップなどでは、中央に穴が空いた台座や廃タイヤなどを使用したうえでビードを落とします。
チューブタイヤの場合、基本的にはリムに沿って体重をかけて押すことでビードが落ちます。体重をかけても落ちない場合は、タイヤレバーを使いましょう。
4.片側のビードを外す
ビードが落ちたら、次は、タイヤレバーを使って片側のビード面をリムの外に出します。タイヤレバーでホイールを傷つけたくない場合は、リムプロテクターを活用しましょう。
ビードを外すときにタイヤレバーを深く差し込みすぎると、リムとの間にチューブを噛み込むトラブルが起こります。この状態で力をかけすぎた場合、チューブに穴が空くことがあるため、注意しましょう。
5.チューブを抜く
片側のビードが外れたら、次はリムとタイヤの間からチューブを引っ張り出します。交換後もチューブを使う場合は、チューブやバルブを損傷させないように注意してください。
6.残ったビードとタイヤを外す
チューブが抜けたら、裏側のリムとタイヤの間にタイヤレバーを差し込みます。脚の力を使いながら反転させたレバーを押し込んでいきましょう。残ったビードとタイヤの間に半分以上の隙間ができたら、あとは体重をかけるだけで簡単にタイヤが外れます。
7.ビードストッパーとリムバンドをセットする
ここからは、新しいタイヤをはめ込む準備です。スポークホイールは、ホイールとスポークの接続部分がチューブを傷つけることを防ぐ役割があるため、ビードストッパー(リムロック)の上にリムバンドがかかるようにセットします。
8.ビードの外側・内側にビードワックスを塗る
次に、ビードの外側と内側にビードワックスというクリームをたっぷり塗ります。タイヤ交換に慣れないうちは、多めに塗るのがおすすめです。
9.新しいタイヤのビードを入れ込む
ここまでの準備ができたら、取り外したときの反対の要領で体重を乗せて片方のビードをタイヤに入れ込んでいきます。ここでの注意点は、ビードストッパー(リムロック)の内側にビードが入り込まないようにすることです。
10.チューブを入れ込む
新品チューブを使う場合は、若干の空気を入れてゴムのヨレをとっておくのがおすすめです。入れた空気は、わずかに残したままにする方法と、バルブコアを抜いて空の状態に戻す方法があります。
チューブを入れ込む際は、まず、ホイール側のバルブ穴にチューブのバルブ穴をセットします。このときにリムナットを軽めにはめておくと、バルブが外れにくくなるでしょう。
11.残ったビードを押し込む
ビードを押し込みときは、タイヤレバーでチューブを噛まないように注意してください。タイヤをホイールにはめ込んでいくと、最後のほうではかなり固くきつい状態になります。このときに作業負荷を軽減するには、ビードストッパー(リムロック)を活用するとよいでしょう。
12.空気を入れる
ここまでの作業を終えたら、ビードがビードストッパー(リムロック)の内側に入っていないかをチェックします。確認を終えたら、バルブコアを戻して空気を入れましょう。
空気を入れたあとは、タイヤの両面が均等に張っているかの確認が必要です。タイヤの近くに耳を近づけ、空気が「ヒュー」が抜ける音がしないかチェックします。これらのチェックを終えて、タイヤとリムの両側がぴったりとはまっていれば問題ありません。
13.ホイールを取り付ける
ホイールの取り付けは、タイヤからホイールを外したときと逆の手順で行ないます。このときに、タイヤの主軸となるアクスルシャフトにグリスアップをしておきましょう。ジャッキを下げてタイヤを地面に固定させたら、トルクを使った締め付けと空気圧の調整を行なえば、タイヤ交換は完了です。
タイヤ交換をプロに頼んだ場合の工賃は?
オフロードタイヤの交換は、多くの工具が必要になるうえ、メンテナンス初心者にとっては少し難しい作業です。例えば、先ほど紹介したビードストッパー(リムロック)を装備してのはめ込み作業は、特に難易度が高いものとなります。セルフでタイヤ交換を行なう自信がない場合は、バイク専門店のプロに任せることをおすすめします。
オフロードタイヤ交換を専門店に依頼する場合の費用
オフロードタイヤ交換費用は、以下の要素によって大きく変わります。
オフロードタイヤの工賃の相場は、以下のとおりです。
グーバイクなら、自宅近くの店舗や値段の安いショップを探すことができます。
まとめ
オフロードタイヤは、岩や石、林道などで高いグリップ力を発揮するため、ツーリング用タイヤと比べて柔らかく、寿命が短い傾向にあります。
オフロードタイヤにはスリップサインがなく、走行する環境も人によって大きく異なります。そのため、タイヤ交換の時期は、以下のポイントから総合的に判断しましょう。
オフロードタイヤの交換は、セルフでも行なえます。しかし、工具をそろえるのが面倒な方や手順どおりにうまくできる自信がない方は、バイク専門店に依頼することをおすすめします。
自宅近くのバイクショップを探す際は、ぜひグーバイクを活用してください。
本記事は、2022年3月7日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。