1934年創業という歴史を持つスペインのリエフ社。日本では、馴染みの薄い名前だが、1947年の原動機付き自転車を皮切りに、おもに小排気量エンジンのオートバイを生産、80年代には国内のサーキットやオフロードレースで活躍し、ヨーロッパを中心にユーザーを拡大してきたメーカーだ。
今回、紹介するRS3 125は、そんなリエフが得意とするなかでも、もっとも尖ったモデルだ。その構成は、フロントに倒立式フォークと、ラジアルマウントのブレーキ、リアにはアルミスイングアームと調整式ショック、さらにプロジェクター式のヘッドランプなどなど、リッタークラスのスーパースポーツにも見劣りしない。そこにミナレリ製の単気筒エンジンとクロスレシオを持つ6速ミッションが組み合わせられている。
早速またがってみると、高いシート高(数値上は現行のリッタースーパースポーツよりも高い)と、低いハンドル位置が、ライダーの戦闘的な気分を盛り上げてくれる。
エンジンは、トルク特性が比較的フラットになるようにセッティングされており、小排気量ながら発進は容易。クロスレシオがおごられる関係で、発進加速は同クラスのスクーターよりも劣るが、それがむしろGPレーサー的で面白い。さらに、大排気量モデルでは絶対に味わうことができないヒラヒラとした軽快感が、マシンを手懐けている気分にさせてくれるのだ。
ただし、前後サスのセッティングはハードな方向。その魅力を存分に味わうには、街乗りよりもサーキット的なフィールドのほうが合っているだろう。
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