数年ぶりに復活したシングルエンジンモデル、G650GSは、R1200GSアドベンチャーを頂点とするBMWラインナップのボトムエンドを支える廉価版アドベンチャーツアラーである。
基本設計は、2006年までラインナップされていたシングルモデルF650GSから受け継ぐが、各部にブラッシュアップが施され、一目でGSファミリーであることが分かる外観となったことが特徴。ロータックス設計の652ccシングルエンジンも、F650系から受け継いだものだ。
アドベンチャーツアラー的な外観ながら、シート高は780mmと比較的低め。身長160cmそこそこのライダーでも、車体が軽量&スリムだから、苦になることも無い。
早速、試乗に出ると、車体の軽さと、フラットなトルク特性を持つエンジンに気付く。そのトルクは、どの回転からでも素直に立ち上がる。そして、どちらかといえば同社のパラレルツインに近い軽快な回転上昇をみせる。その際、ライダーに伝わる振動は巧みに抑えられていることも好印象だ。ちなみに実際に試乗した際の燃費は、常に30km/L前後を記録した。
フロント19インチ、リア17インチホイールをそれぞれ組み合わせる足周りは、細身のタイヤ幅によりバイクに軽快さを与えてくれている一方で、路面追従性も高い。さらに、ABSを標準装備するので、荒れた路面を通過する際にも、ライダーに緊張を強いることが少ない。
都会でのアシから、ツーリングの相棒まで、あらゆるシーンで活躍してくれそうだ。
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