いまやハーレーを代表する人気モデルとしての貫禄すら漂うフォーティーエイト。排気量1201ccエンジンに前後16インチホイールとファットタイヤ、容量8リットルに満たないピーナッツタンク、ショートボブフェンダーが組み合わさったロー&ロングフォルムは「ボバー」と呼ばれるもの。ハーレーらしいカスタムカルチャーを漂わせつつ、これまでになかった新しいバイクのスタイルを見せつける。
いっぽうで、これまでのフォーティーエイトはライディングに対して弱点を抱えていた。特にΦ41mmのフロントフォークは重量級のフロントタイヤを支えるにはやや華奢で、交差点で曲がる際に切れ込んでくることがしばしばあった。
その弱点を克服すべく、なんとビッグツインのダイナモデルに搭載されているΦ49mmの高剛性フロントフォークを採用。中身はシングルカートリッジ化され、リアサスペンションもプリロード調整可能な新製品へとグレードアップした。
乗り出してすぐに気づいたのが、フロントの安定感だ。路面の大きなギャップを踏んでも暴れることがなくなり、クルーザーバイクとして力強く駆け抜けていく。新デザインのソロシートはしっかりと体をホールドしてくれ、新型のリアサスペンションも短いストロークながら、しなやかにライダーを支えてくれる。一層走ることが楽しいバイクへと進化した印象だ。
走行性能と特異なスタイリングという相反する要素を両立させたフォーティーエイト。その魅力を引き上げるエッセンスはオーナーの楽しみ方の中にある。
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