1996年に登場したベスパETシリーズの後継モデルにあたるLXシリーズ。発売当初は2ストロークエンジンを搭載するLX50、4ストロークエンジンのLX125/150とラインアップされていたが、現在は4ストローク125ccエンジンのLX125i-GETのみとなっている。
スチール製モノコックフレームにコイルスプリングとショックアブソーバーを備えた片持ちフロントフォークというベスパの伝統的な骨格に、ユーロ基準をクリアしたインジェクション仕様の125cc空冷3バルブシングルエンジンを組み合わせる。現行モデルではエンジンとシャーシ間のリンクが改善されており、振動を軽減し、より快適なライディングを得られる。パフォーマンスも優れたものであるし、ベスパを求めるライダー層は、走りに関するポテンシャル云々の前に、まずデザインから入ることが多いと思う。それに対してもクラシカルな中にしっかりとしたベスパのアイデンティティが凝縮されている。
走行面に関してもソロで走らせれば軽快であり、タンデム時でも力不足を感じさせないといった、スポーティでエレガントなスタイルを打ち出している。これは正常進化と呼べるものだ。なんといってもベスパ特有の高級感やお洒落さは、他にはまねのできないものである。
昨今のベスパは普通自動二輪免許区分のモデルが多くなり、そちらに目が行ってしまいがちだが、小型自動二輪免許区分であるLX125は、スクーターの便利さ、そして気軽さを存分に楽しむことができる。今一度注目したいモデルなのだ。
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