人を惹きつけるデザインをまとったMVアグスタF4。天才エンジニア、M・タンブリーニが生み出した初代のイメージを変えることなく、モデルチェンジしたのは09年のこと。それから約3年、最新モデルF4Rが日本に上陸した。
F4R最大の特徴は、昨年登場したF4RRに続いて搭載されたコルサ・コルタエンジン。その名前はショートストロークを意味しており、ボア×ストロークは79×50.9mmという数値。そこから195馬力を発生する。
極めてレーシーなポジションは、使う場所を選ぶかもしれないが、エンジン特性はスポーツライディングに最適なセッティングが施されている。日本仕様に装着されたリミッターは、クローズドコースでこそ若干邪魔に感じるものの、ストリートでは十分だ。
フロントにマルゾッキ、リアにはザックスのショックが採用された足回りは、初期動作が固めに感じるが、スピードが上がり荷重を掛けると、しなやかな動きとなるセッティング。さらに、高速域から車体をブレさせること無く、瞬く間に減速させてくれるブレンボ製モノブロックキャリパーや、トラクションコントロールの採用により、ライダーのポテンシャルをさらに引き上げてくれるような一台に仕上がっている。もちろんそれなりのウデをバイクが要求してくることも付け加えておく。
伝統のブランドネーム、美しいデザイン、心を震えさせるようなエキゾーストノート。などなど、オーナーの所有欲を満たしてくれる1台であることは間違いない。
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