新しいSVは、従来型にも増して、何のストレスも感じさせず、すんなり身体に馴染んでくれる。
足着き性が取り分けて良いわけではないが、サイドカバー部がスリムになり、また先代型から9kgも軽量化されており、バイクを足で支えるときにストレスがない。
ライポジも、日常的に使うことを前提とした程好いアップライト加減だ。
ゆっくり発進していくと、新採用のローRPMアシストによって、自動的にわずかにスロットルを開いた状態になり、回転の落ち込みが緩和され、エンストの不安なく走り始める。低速ハンドリングも素直で、切れ込み感の類もなく、このアシストと相まって、Uターンもこなしやすい。しかも、Uターンを終え、クラッチを握ると、わずかに回転が下がり元に戻るのだが、気にしなければ気付かない自然さだ。
新型は4ps高出力化されながら、Vツインの鼓動を伴なったトルクフルさは健在だ。スロットル開き始めの着きも自然で、力強い一方でシビアさはない。
ハンドリングは、スリムなVツインならではのシャープさが抑えられている気がしないでもない。正直なところ、もっとキビキビしたハンドリングが好みである。と、そんな想いに駆られるも、だからこそ、ライダーの技量を問わず、誰にでも自然に身体に馴染み、乗り手を疲れさせることもないのだと気付かされる。ブレーキもシャープさはないが、実に扱いやすい。
それでいて、攻めた走りにも応えてくれる。バイクを信頼し、スポーツをすることができる。脚代わりに使えて、気が向けばどこでも遊べる。これぞ原点バイクである。
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