もしもの時に保険は必要

転ばぬ先の杖 任意保険に加入しよう

誰でも事故を起こすことなど想像すらしたくないけれど、すべてのバイクに加入が義務づけられている自賠責保険の賠償金額は、実際の現場では足りないケースが多いという。任意保険を簡単に説明すると、その自賠責保険ではまかないきれない賠償金額を補填してくれるもの、ということになる。その保証範囲は、加入契約によって変わるが、対人はもちろん対物、車両、盗難など、自賠責がカバーできない部分を助けるようになっている。

保険料は、いずれの保険会社でも年齢とそれまでの実績(事故歴など)によって変わる。その利率は等級で表され、新規加入であれば、6等級(年齢によって4段階に分かれている)からスタート。加入を続けながら事故を起こさなければランクが上がり、反対に事故を起こして保険を使えばランクは下がる仕組みだ。

保険の種類

  • 対人賠償保険
    歩行者と接触したり、自分のバイクに乗せていた人にケガを負わせたりなど、人に対する補償を行なう。自賠責の限度を超えたときに保険金が支払われる。治療費、慰謝料、休業損害、入院費、逸失利益などもカバー。保険金額は無制限が多い。
  • 対物賠償保険
    クルマがへこんだとか、積荷に損害が出たとか、塀や道路標識を壊したなど、モノに対する補償を行なう。内容によって保険料全体の料金が変わるので極力安く抑えたいところだが、相手の金額は分からないもの。十分な金額に設定しよう。
  • 搭乗者障害保険
    保険に入っているバイクが起こした事故で、加害者、被害者にかかわらず、その運転者や同乗者の死亡、負傷の補償する。掛け金はやや高くなるが、タンデムを多くする人は入ったほうが良い。この保険だけの請求なら等級はダウンしない。
  • 車両保険
    事故などの原因でバイクが壊れた場合、その損害額を補償する。ただし、単独転倒や、当て逃げの相手が特定できないと保険が支払われない。また、天災の場合にも適用される。ただし、盗難については、別途盗難保険に入る必要がある。
  • 自損事故保険
    対人賠償保険、対物賠償保険では、ライダー自身の負傷や死亡に補償が無い。そこで、自ら誤って事故を起こした場合などでも、死亡や入院通院に定額が支払われる。この保険は単独での加入は不可、対人賠償保険に自動的についてくる。

盗難保険

  • 新車
    バイクの盗難事故に対して、再購入代金を補償する。保険会社によって異なるが、保険金は最高で市場価格の約90%が上限となっているケースが多い。また、パーツや鍵穴のイタズラなどにも保険がおりるタイプや、ロードサービスが付帯するなど、細かい条件が保険会社によって異なる。加入を考えるときには、自分にあった保険を賢く選びたいものだ。
  • 中古車
    中古車であっても、盗難保険に加入することはできる。条件は保険会社によっても異なるが、排気量125cc以下のバイクが初年度登録から6年以内。125cc超のバイクは初年度登録から10年以内というものが、ひとつの目安になるだろう。また、それよりも古いバイクであっても、加入できる盗難保険を用意する会社もある。

排気量や年齢で保険料がかわる

はじめて契約する場合

保険始期日が2020年1月1日以降の契約
ノンフリート等級 運転者年齢条件 割増引率
6S等級 年齢問わず保障 31%割増
21歳以上保障   5%割増
26歳以上保障 12%割引
35歳以上保障 13%割引
7S等級 年齢問わず保障   6%割増
21歳以上保障   9%割引
26歳以上保障 36%割引
35歳以上保障 40%割引
保険始期日が2016年4月1日から2019年12月31日までの契約
ノンフリート等級 運転者年齢条件 割増引率
6A等級 年齢問わず保障 28%割増
6B等級 21歳以上保障   3%割増
6C等級 26歳以上保障   9%割引
6G等級 35歳以上保障   9%割引
7A等級 年齢問わず保障 11%割増
7B等級 21歳以上保障 11%割引
7C等級 26歳以上保障 40%割引
7G等級 35歳以上保障 40%割引

任意保険の料金は、大きく分けると排気量と、加入者の年齢で変わる。まず排気量は、125cc以下とそれを超えるもので分かれる仕組み。そして年齢は、加入者の年齢とほぼ比例して割引率が変動する。
また、年齢条件を満たしていれば、乗っていたバイクが他人のものであっても補償の対象となる。

等級別割引・割増率/ノンフリート等級

※保険の等級割引率は、各社によって異なります。詳細は、加入される保険会社にお問い合わせください。

等級 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
無事故 64 28 12 2 13 19 30 40 43 45 47 48 49 50 51 52 53 54 55 63
事故あり 20 21 22 23 25 27 29 31 33 36 38 40 42 44
割増率(%) 割引率(%)

事故によって保険を使うと翌年の等級が下降、4,5等級では割引率が減少。3等級以下になると保険料金が割増になる。

原則として新規加入するすべてのライダーが6等級からスタート。事故が無ければ翌年の等級がひとつ上がる。

事故を起こして保険を使うと、事故の種類によって1等級もしくは3等級下がる。割引率は、事故無しと事故有で異なる。