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エリア情報 首都圏エリア 山梨県・昇仙峡
週末はツーリング
秋の味覚に舌鼓!
川のせせらぎと澄んだ空気がおでむかえ
 水辺の近くを走っているとさすがに空気が冷たい。暦の上ではもう秋。今朝、都内を出るときには、残暑というにはあまりにも暑く、真夏といった感じだった。
 この暑さから逃げ出したい、そう思って選んだツーリング先は、日本一の渓谷美といわれる昇仙峡だ。
 食べることが何より好きで、バイクで走ることも大好きな自分にとって、このシチュエーションはたまらない。都内から1時間ほどでの距離なので、思い立ったらすぐにいけるアクセスのよさもうれしい。
 都内に向かう反対車線で渋滞する自動車の列を横目に見ながら、今日の相棒となるPS250を走らせた。
 両脇に見えていたビル群も少なくなり、高速から見える景色がだんだん開けてくる。それと同時に気温も心なしか下がったような感じがする。
 クルマでは決して感じることのできない、ちょっとずつの気温の変化や空気の匂い。この変化がたまらなく好き。この微妙な変化を体感したいというのもツーリングに出かける理由なのかもしれない。
 昇仙峡に着いたときには、アスファルトの照り返しで汗だくだったヘルメット。それがまるでうそように、今は秋の風が吹き抜けていた。
 平日ということもあり、観光客の姿もまばらだ。ふと見ると、渓谷に沿って走っている渓谷道路がある。ラッキーなことに、この道は平日にかぎり走ることができるそうだ。
 眼下に渓谷を見ながらゆっくりバイクを走らせる。大きな岩がゴロゴロしている渓流では釣りをしている人も見受けられる。道の両脇を広葉樹が取り囲む緑のトンネルは、秋本番には、赤や黄色へと鮮やかに変貌することだろう。
 まわりの景色を楽しみながら走るなら、クラッチ操作のないスクーターが本当に楽ちんだ!
 いつものように鼻歌を歌いながら走っていると、前方からなにやら向かってくるものが……。ここは一方通行だよなあ?
 近づいてみると、それが馬車だと気付く。ゆっくり走る馬車は、この渓谷を楽しむのには打ってつけなのかもしれない。次にここへ来るのはいつかわからないけれども、次回は乗ってみるのもいいかもしれない。
この季節には絞りたてのブドウジュースで乾杯
 渓谷道路を最終まで走ると、茶屋が見える。せっかく来たことだしとそこの駐車場にバイクを止め、さらに奥へと足を進めた。歩くほどに感じるのは、いつも自分が生活しているところとは空気の鮮度がまったく違うこと。体のなかが歩みを進めていくほどに浄化されていく。
 一年中エアコンの効いた部屋で生活し、移動まで室温が管理されたクルマだったら、この場所のよさ、せっかくの自然への感動も半減していたに違いない。
 再び駐車場に戻ったときには、Tシャツも心なしか汗ばんでいた。勝沼のほうへいって果物を!と考えいたけれども、この汗を乾かそうと昇仙峡のさらに上を目指して、バイクを走らせることにした。
 風もなく鏡面のような湖面に景色が写りこんでいる。昇仙峡の谷間に造られた荒川ダム。これよりもさらに奥には秘境・板敷渓谷が待ちかまえる。持ってきた地図を広げると、板敷渓谷に幻の滝があることに気が付いた。幻となれば、ぜひとも行ってみたい! 駐車場から15分ということなので気楽に行ってみたが、思いのほか道が険しい……。そのうえ雨もパラついてきた。もう引き返そうかと思ったころ、ようやく滝が顔を出した。幻というだけに姿は猛々しく圧倒されるものだった。
 もう少し、とは思ったけれども雨とあってはのんびりするわけにはいかない。来た道を急いで戻りバイクへ飛び乗った。
 山を降り、塩山のあたりにまで来ると、雨は止んでくれた。どうも山の上だけ雨が降っていたらしい。さらに街まで降りてくると、爽やかだった空気もかなりの湿気と温度を帯びてきた。そう感じたとたん、空腹と、のどの渇きが……。気がつけば、朝に高速のサービスエリアで簡単に朝食を口にしただけ。
 雰囲気のいいカフェでひと息つこう。入ったところは土蔵のなかを改装したカフェ古壺。土蔵だけに外界からの音も少なく静かな時間が流れる。チーズケーキとブドウを絞っただけのブドウジュースがたまらない。カフェの隣には蔵屋敷で国の有形文化財に登録されているワイナリーも併設されている。もとは酒造だったものをワイナリーとしているそうだ。洋風な佇まいのワイナリーが多いなかでも目を引く珍しい建物だ。
 ようやくお腹も落ち着いたところで、果物狩りをすべく勝沼へと向かった。果物王国の山梨県。ここまで盛んのなのは、日照時間が日本一なのと、日中と夜の寒暖の差が激しく、水はけのいい土地だからだという。
 驚いたのは果樹園の多さ。話しには聞いていたけれども、ほぼどこの道沿いにも果樹園がところ狭しと並んでいるのだ!
秋の訪れを感じてしまう夕暮れ時が苦手です……
普通のスクーターではちょっとためらってしまうようなダートでも、カウルレスなPS250ならば臆せず進むことができる。河原に入っていく脇道へ入るだけでちょっとした冒険気分を楽しむことが可能だ。
 話しには聞いていたけれども、果樹園の多さにどこへ入っていいのかわからないほど多い。どうせならたくさん楽しみたいということで、ブドウ以外にモモ狩りも楽しめるところに決定。なんでもブドウは世界でもっとも生産されていて、古くから愛されてきた果物らしい。
 果樹園のブドウ畑に入ると、ひと房ずつ丁寧に袋に包まれている。その袋を外してみると、新鮮なブドウがこんにちわ! さっそくひと房取って、口に運んでみると、甘さがケタ違いなのに驚いた。
 ふと、ブドウ棚の間から空をのぞいてみると、陽もだいぶ傾いてきている。夏と比べてだいぶ暗くなるのが早くなってきている。夏を惜しむかのように鳴いている蝉の声にまじって、すでに秋の虫たちの声もちらほらと聞こえる。風もいくぶんヒンヤリしてきた。こうしていると昼に昇仙峡にいたことが昨日のことなんじゃないかと錯覚してしまう。
 バイクで走るのに絶好の季節である秋。この季節が好きだけれど、夕暮れ時は夏以上に寂しいものを感じてしまう。さ〜てと気を取り直して、果物天国・山梨で秋の味覚を食べたことだし、あとは名物ホウトウを食べて帰ろうっと!
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